面白い話02 「あがり症」
Sさん夫妻は初めての海外旅行で、しかも海外リゾート婚。
新郎は打合せ当初から緊張されてあり、私がなにか訪ねても汗を流されてたどたどしく話されていました。新婦が仰るには、普段からあがり症で人前に出てなにかをするなんて考えられない。結婚式も考えてなかったそうです。ところが新郎の方から、せっかく結婚するんだから君の(新婦)の好きなように結婚式を挙げようよと伝えられたとのこと。
なんて優しい旦那様♡ 私も新郎があまり緊張しないような結婚式をお手伝いさせていただきます。新婦の憧れだった海外リゾート。ゲストも親族だけ。ハネムーン、家族旅行も兼ねて決めたそうです。
しかし、海外に行く前も大変で、パスポートを作るのにも一苦労。写真館で撮影したそうですが、緊張して何枚も撮り直し。いざ、飛行機に乗ろうとすれば、金属探知機に何度も通るはめに。これはあがり症とは違うかな?ともあれ、無事到着。(飛行機の中でも外国人のCAに緊張してたとか)
前日の結婚式の打合せも終わり、なにか人前でやらないといけないことは私と新婦でフォローするといことで、新郎も安心されていました。
そして、次の日。とうとうハプニングだらけの結婚式のスタートです。
いざ教会へ入場すると、新郎の足が前へ・・・いかない?むしろ後ずさりしている?扉が開いた瞬間、ゲストの大きな拍手にびっくりして、あとずさりしてしまったそうです。それでも新婦が手を引いて,神父さんのところに連れて行くと、外国人の神父さんに緊張。次は指輪の交換でまたもや緊張。指輪を落としたり、新婦の右手にはめようとしたりと、自分の指輪を新婦にはめたりと。ゲストもクスクス笑い声が聞こえます。
しかし、そんな笑い声も吹き飛ばすかのように、顔を真っ赤にした新郎の手をぎゅっと握りしめて、フォローしている新婦はかっこよかった〜!
なんとか式も終わり、次はレセプションパーティーへ。
ここではみなさん食事やお酒を楽しまれてあり、親族からのスピーチや兄弟からのスピーチなど、笑顔にあふれたパーティーの中、笑顔で拍手をしている新婦。そして、ひとり緊張して下を向いている新郎。これではいけないと私は思い、新婦に近寄り耳元であることを告げました。
「最後に新郎にサプライズスピーチをしてもらいましょう!」
せっかくの結婚式。しかも海外リゾート。新郎にも思い出に残る結婚式にしてほしい。
私はそう思い、新婦の許しを頂き、パーティーの終盤そーっと新郎の元にマイクを置きました。
新郎は、えっ!と顔をされたのですが、新婦と私の顔を見て覚悟決めたようで。
「み・み・皆さん!本日はありがとうございました・・・・・・・(以下省略)」
と、赤い顔になりながらも頑張られてあり、その姿を見聞きしているゲスト。誰一人笑ったり、ヤジを飛ばしたりする人はいません。新婦も横で笑顔で泣いています。でも最後にやってくれました。
「○○さん(新婦)!これからも・・・ずっと・・・一生・・・幸せに・・・・・してください!」
えっ!えっ!私やゲストがキョトンとしていると、新婦が隣で「はい!」って返事されていました。
このカップルはこれでいいんですね!最高のカップルです!新郎の力強いスピーチよかったです!新郎、新婦、ゲスト。そしてスタッフ一同、拍手が鳴り止まない結婚式になりました。
新郎さん、この結婚式であがり症が少しだけ治りますように!
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