ちょっといい話04「ブーケトス」
これはガーデンウェディングをされたAさん夫妻のお話。
今回は新郎新婦というより新郎の妹さんのお話になっちゃいます。
本当の姉妹じゃないかといわれるほど、新郎の妹さんと新婦がとても仲がよく、今回の式でなにか妹さんにサプライズ的なものできないかという相談をされました。
お花が好きで、自然が大好きな妹さん。しかし、少し目が不自由なので、触れることなできても、その形を見ることはできないということでした。
「それなら、ガーデンウェディングで少し香りの強いお花を中心に飾られませんか?木々の香りや風のにおいもガーデンウェディングなら感じられると思いますよ。」
私がそう提案すると、お二人は「それいいかも!○○ちゃん喜んでくれるよね。」とおっしゃってくれました。
妹さんの好きなバラを中心にフリージアやスミレ、ヒヤシンス、マーガレットなど良い香りの花をお二人と一緒に選びながら、どこに配置しようか、ここに置いたら喜ぶかななどいいながら、お二人とも楽しみながら打合せしていきました。私は内心、季節があるでよかったとホッとしていました(笑)
式当日、天気も青空に恵まれ、新郎新婦、そして招かれたゲストのみなさんもその香りを楽しまれていました。その中にご両親と一緒に妹さんもおられます。
「これバラだよね。こっちは・・・・うーん、スミレかな?」
妹さんとお母様が一緒に花の香りを楽しんでおられる光景をみていると、太陽の光に照らされたお二人が輝いて見えました。
式も順調に進んでいき、新婦がブーケトスをするお時間に。
新婦がブーケトスの用意をすると、女性陣が集まってきます。その内の何人かが妹さんの側にいき、「ほら、○○ちゃんも行くよ」と妹さんを誘ってくれました。
妹さんは「私は大丈夫ですよ」といいながら断っていましたが、「大丈夫、いいから(^o^)」と優しく手を取って連れて行ってくれました。
女性陣も集まり、いざ新婦がブーケを投げようとすると新婦はブーケを持ったままくるりと回り、女性陣の方へ歩いて行きます。女性陣も左右に広がり、ある人物の方に道ができました。
「はい、ブーケ。次は○○ちゃんだからね♡」
「えっ?えっ?」と不思議そうな妹さんに、周りの女性陣、ゲストから祝福の拍手。
今回のブーケトス。新婦のたっての希望で妹さんに手渡ししたかったそうなんです。それで事前に女性陣(友人や会社の方達)に頼んで演出してもらったそうです。(妹さんを連れていってくれたのは、新婦の友人でした)
「これ、この香り、バラ?それにスミレにマーガレット?」
ブーケも妹さんの好きな花で作ってほしいということでした。
「ありがとう・・・・お姉ちゃん」
その言葉を聞いた新婦。もう涙が止まりません。後ろにいた新郎も実の妹の「お姉ちゃん」の言葉に涙が止まりません。ゲストも私も涙が止まりません。
すると、妹さんはブーケのバラの数を数えています。
「1、2・・・・5本。花言葉は、あなたに出会えた事の心からの喜び・・・・」
「そう。さすが、○○ちゃん。これからもよろしくね」
新婦がそういうと、今度は妹さんの涙が止まりません。
結局、みんな泣いています。でも、素敵な涙ですね。この青空の下、とても1日が満たされる結婚式でした。
式が終わると、新郎新婦とご両親。そして妹さんがお礼に来られました。
私はたいした事はやっていません。ゲストのみなさんが喜ばれたのは、お二人のアイデアと演出のおかげです。
私の方こそ素敵な結婚式を手伝わせていただきありがとございました。
最後に式場を腕を組ながら出て行かれる新婦と妹さんを見ていると本当の姉妹以上な存在なんだな〜と感じました。最後にもう一度いいますが妹さんは新郎の妹さんです。妹さんを新婦に奪われた新郎。心なしか寂しそう。肩が泣いていますよ( i_i)\(^_^ )
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