第4話「最恐のサプライズ」

これは国内リゾート婚をされたDさん夫妻の披露宴でのお話。

仲睦まじいお二人は、打合せの時も「これにしようか・・・あれにしようか」と微笑み合いながら演出や段取りを決めていました。

「なんて素敵なカップルなんだ!!」と私自身も笑顔になり、お二人に素敵な結婚式のお手伝いで祝福させていただこうと思いました・・・・・この時までは。


結婚式の日も近づいてきたある日、ある新婦の友人よりお電話がありました。

サプライズで仮装してお菓子などを新郎新婦やゲストに配りたいのですが大丈夫ですかという内容。

無論、その程度のサプライズでしたら行われても大丈夫ですよと返事をしました。それでは当日お願いしますとのことで電話は切れたのですが・・・・。


結婚式当日、順調に式も進んでいき、披露宴も多くのゲストがお祝いに来られて、お二人を祝福してくれています。そういえばお電話してくれた友人の方はどなただったのかなと思っていた矢先、仮装した6人の女性陣が会場の前にやってきたので、一人の女性に声をかけました。


「あの〜お電話いただいた新婦の友人の方ですか?」

「あーお電話で話したプランナーさん?このたびはいきなりのお願い大変失礼致しました!」


そういうと、みなさん礼儀正しく深々と頭を下げられ、「これからご迷惑をおかけしますが宜しくお願いします」とおっしゃられました。うん?と思ったのですが、まぁご挨拶なのかな?しっかりされてあるお嬢様たちだなと感心していました。みなさんの出で立ちは時期的にハロウィンも近かったこともあり、魔女やゾンビ、ナース?などなど。誰かわからないのではというぐらい顔もメイクされてあり、ゲストが楽しんでくれればいいかとその時は思っていました。


そして扉が開き、仮装した友人達は「おめでとうー」といいながらお菓子をばらまいていました。ゲストや子ども達も喜んでいるし、スタッフもサプライズなので安心して見守っています。新郎新婦も笑顔で友人達の余興を楽しんでいる様子。すると、ある一人がもってきたラジカセを大音量で流しはじめました。


「○○のことが好きだよ、今でも。結婚は親が決めたことなんだから、相手のことなんて何とも思ってない・・・」「すぐ離婚して一緒になるから・・・許してよ〜」「黙ってれば、ばれないから・・・ねぇ!」・・・・・うん?


なんじゃこりゃ〜〜〜!この声は新郎の声!

それから、いろいろな新郎の台詞(最低な言葉でした)が会場に響き渡っています。

新郎は口を開けてポカーン。新婦は徐々に泣き出しています。


友人六人組の一人が新郎新婦の側にいき、そこにあったビール瓶をそのまま飲んだかと思えば、片手にもっているマイクで「今日まで私をだましてくれてありがとうございまーす♥嘘で固めた結婚式!おめでとうー!」そういうと笑顔で新郎にビンタ!!!


スタッフが止めに入ろうとしたのですが、友人達がそれを静止し、颯爽と六人は披露宴会場から出て行きました。私は六人の後を追いかけると、一人の女性か泣き崩れていました。すると私に気付き、すぐさま「本当にご迷惑おかけしました」とみなさん深々と頭を下げられました。


事情を聞くと、どうやら新郎は二股をしていたらしく、彼女曰く様子がおかしいので、問い詰めると数日後に結婚をすることを告げられ、でも好きだからこのまま付き合ってくれと言われたそうです。(さっきのラジカセから流れた言葉はこれか)

それで、友人に協力してもらい式をむちゃくちゃにしてやろうと考えたそうです。でも、何も知らない新婦さんに申し訳なく、なんて馬鹿なことしたのかと泣いてしまったそうです。


すると、そこに新郎新婦登場!式そっちのけで追ってきました。新郎はなにか文句言っていましたが、そこへ新婦、新郎をビンタ!!!「あなたがこの人にしたこと、私許さない!・・・結婚はなかったことに。」そういうと、元カノの方にいき、「ごめんなさい。辛かったでしょう。教えてくれてありがとうございました」とお礼を言われていました。


その後、新婦と新婦側のご両親がご立腹になり、結婚式は途中でお開きに。

なんとか結婚できないかと、最後まで新郎&新郎親は粘っていましたが、願いむなしく却下された模様。しかも今回の費用は新郎側持ちとなり、さんざんのご様子。


二股はだめですよ!二股は。これから結婚される方はちゃんと身辺整理をしっかりしてくださいね(笑)

しかし、新婦は格好良かった!打合せの時の気弱なイメージが吹っ飛びました。


そうそう、こないだ偶然に街で新婦にあったんです♥ものすごく元気そうで。あの時はご迷惑お掛けしましたと頭下げられました。

しかも隣におられる方とお二人で・・・・えっ!隣にいる女性、あの時の元カノさん!?

あのあと、お詫びをしに元カノさんが新婦のところに謝りにいったところ、意気投合して仲良くなったそうです。

それから3人で少しお茶しました。あの時のこと少し詳しく話されたので・・・・また次回お話ししますね!

プランナーの本当にあった結婚式の怖い&面白い話

幸せなお二人を間近で感じられるウェディングプランナーをはじめて早数年。 私が体験したリアルな出来事を少しづつ紹介していきます。 ドキドキする怖い話や心に残るいい話、鉄板の面白い話など、結婚をお考えのお二人の参考にしてください。