ちょっといい話02 「花冠(ハクレイ)」
これはKさん夫妻が行われた結婚式でのお話。
キャンプやピクニックなどアウトドア派のお2人は、以前よりガーデンウェディングに興味をお持ちでご相談に来られた際も、第一声目が「ガーデンウェディングできますか!」でした。
これは出来ますか?これは飾れますか?この曲を流したいのですが?といろいろのご希望があり、それを書かれたノートを見させていただくと、やりたいことがびっしり!!!
長年ウェディングプランナーをやっていますが、ここまで書かれたカップルにあったことはありません。
しかもそれは自分のためだけではなく、親族やゲストのためのサプライズ的のご希望・演出の方が多かったのです。
例えば、足の悪いおばあさまのために段の少ない式場。出席者の子ども達が走り回れるような広い敷地。自然が大好きな会社の上司のために緑豊かなガーデンなどなど。自分たちのことより参列者のための演出が多く、私はすぐにお2人の人柄に惚れてしまいました。
その中でもひとつ気になったのが、新婦の年の離れた妹さんにお手紙と花冠のプレゼントでした。
お手紙というと定番なのは親御さんにお読みするお手紙なのですが、お話を聞いてみると新婦とは10ぐらい歳が離れていて、街を歩くと姉妹というより親子に見られることも多いそうです。少しだけ病弱で引っ込み思案な妹さん。いつも新婦について回り、どこにいくのも一緒だそうです。
新郎とお付き合いするようになっても、なるべくデートは3人で。キャンプもピクニックも新郎のススメで3人で行くようになったそうです。新郎とも仲良く、アウトドアに行き始めて体も丈夫になっていき、笑顔が増えた妹さんにどうしても手紙と花冠をプレゼントしたいとのことでした。
結婚式当日は様々な演出で、来られた親族やゲストは大喜びで笑顔があふれる最高の結婚式が始まりました。やはりみなさんとても感じのいいゲストばかりで心からお2人を祝福しているのがわかりました。その中で、少し寂しい顔をしていたのが例の妹さん。私は近くにいき、声をかけようとしたのですが妹さんの方から「この花は摘んじゃだめですよね」と言われました。
「お花ほしいの?」と彼女に聞くと、小さく首をかしげ、耳元であるサプライズをお聞きしました。私は早速お花を用意し、彼女と一緒にある準備へと・・・・・。
結婚式もご両親へのお手紙も終わり、妹さんへのお手紙へ。新婦の妹さんへの優しいお気持ちが手紙に綴られていて、会場のゲストも感動に包まれていました。涙顔の新婦と妹さん。お手紙も読み終わり、妹さんの頭に花冠を。
その時、妹さんの持ってきた袋から花束?いえ、即興で作った花冠を、「おめでとう」の言葉と一緒に新婦の頭に飾ったのです。
あの時、聞いたサプライズは「花冠を作りたい」でした。私は不器用なのでほとんど妹さんが作られたのですが、見事な花冠!どうしても最後に、新婦に教えてもらった花冠をプレゼントしたかったそうです。
盛大な拍手の中、花冠を被った2人は、涙を流しながらいつまでも手を握っていました。
本当に最高の結婚式に携われてよかったです。ありがとうございました。
姉妹っていいですね。しかも、考えてることが一緒なんて素敵です。
妹さんもいつの日か、お姉さんのような素敵な花嫁さんになってくださいね!その時はまた逢いましょう(笑)
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