面白い話03「ウェディングケーキ」

国内リゾートで結婚式を挙げられたTさん夫妻。

リゾート地で挙げるのを夢見ていた新婦。打合せも真剣に取り組んでおられました。

新郎は仕事が忙しくて一緒に打合せに来ることも少なく、ほとんど新婦の意向と希望がメインで式の段取りは進んでいきました。


今回の式場はお二人が住まれている場所より離れていたため、ゲストもご両家の親族、仲のよい友人知人など約20名程度。小規模な披露宴になるため、それにあった特別な演出をしてみたい。新婦の希望でした。

とはいえある程度のことはできるのですが、会場の都合によりウェディングケーキだけが高さがあるということで四角いケーキでしかご用意できないことを伝えたところ、少し寂しそうな表情をされてしまいました。


そしていよいよ結婚式。

新婦、親族、友人のみなさんは前日より現地に到着していたのですが、新郎だけが仕事の関係で当日の午前中に到着するとのことでした。前日は新婦のみのリハーサル、みなさんとの楽しい会食をされていた新婦。新郎がいないことで少し寂しそうでもあり、私が頑張らなければという意気込みも感じ取れました。


当日はお二人の結婚を祝うかのように、晴天にめぐまれ、新郎も遅れず無事に到着され、順調に式が進んでいきました。しかし仕事の疲れなのか、たまに新郎がふらつかれてあり、新婦、親族、友人が心配される場面も。優しい新郎は、ガッツポーズをとり「大丈夫!!」新婦を気遣います。少し微笑ましかったです。

それでも、新郎はバージンロードで転けそうになったり、会場でウトウトしてしまったりと、ふらふらとなってしまっていました。


そして新郎新婦の前に四角いウェディングケーキが登場し、お二人でケーキ入刀の用意をしているとき事件が起こってしまったです!

ふらついた新郎は段の上から足を崩してしまい、そのまま顔からケーキへダイブ!

それを見た新婦は唖然!親族や友人達はクスクス、クスクス。

「大丈夫!?」と近くのタオルを持ってきた新婦が新郎を気遣うのですが、新郎は一向に動きません。新婦は心配になって、肩を揺さぶります。すると、ケーキまみれの新郎がスクッと起き上がり、手には何やらプレートを持っています。そこには「ドッキリ大成功!」の文字が・・・・・。


会場は爆笑と拍手が鳴り止みません。でも、新婦はポカーンとし、顔を赤くしています。

「それでは皆さん、ビックリしてくれた新婦に私からのプレゼントです!!」

新郎が後方の扉を指さすと、そこには背の高いウェディングケーキが入場してきているではありませんか。(会場ギリギリです)

実は新郎が新婦のためになんとか背の高いウェディングケーキを用意できないかと、こそっと打合せに来てお願いされていました。そして、新婦には背の高いウェディングケーキは会場に入らないことにして断ってほしいこと、ドッキリをして頭からケーキにダイブすることを伝えられ、手伝ってほしいとお願いされていたのです。

それと新郎が頭からダイブした四角いケーキ。実は前日友人たちが内緒でダイブ用にと四角いスポンジにデコレーションして作っていたのです。そうです、このドッキリ新婦以外の親族、友人はみんな知っていました。(そうじゃないとドッキリできませんよね)


事情が飲み込めない新婦は、背の高いウェディングケーキを見ながら唖然としています。

「さぁ、続きをはじめよう!」その声を聞いて我に返った新婦の目から大粒の涙が・・・・「うれしい」

新婦は小さいころから、大きいウェディングケーキでケーキ入刀をしたかったそうです。


涙と笑いと拍手で迎えた一大イベント。ケーキ入刀も無事終わり、ファーストバイトで新婦さんやってくれました。

「あ〜ん。はーい食べて♡」「えっ!入らないよ!!」

口に入らないほどの大きさのケーキを、「私のケーキが食べれないの」と言わんばかりに笑顔で新郎に食べさせようとしている新婦。それを本気で後ずさりしている新郎をみて会場が大爆笑。それでも口の周りがクリームまみれになるぐらいケーキに食らいついていました。まぁ、顔中クリームまみれでしたけど。


結婚式も無事に終わり、お二人揃って挨拶にこられました。そしてドッキリのお礼も。

しかし新郎。仕事の疲れもあったでしょうが、ケーキにダイブするまでのふらつく演技、見事でした。楽しい式をありがとございます。

プランナーの本当にあった結婚式の怖い&面白い話

幸せなお二人を間近で感じられるウェディングプランナーをはじめて早数年。 私が体験したリアルな出来事を少しづつ紹介していきます。 ドキドキする怖い話や心に残るいい話、鉄板の面白い話など、結婚をお考えのお二人の参考にしてください。